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2018年度 課題研究発表会
ポスター演題

障がい者の雇用促進を中心に理想の街づくりを目指す

キーワード:地域活性化職業訓練障がい者雇用
作業療法士学科
岡本 瑳菜/児倉 小都音/西本 智哉

はじめに

2016年4月,障害者雇用促進法が施行された.障がい者がごく普通に地域で暮らし,地域の一員として共に生活できる「共生社会」実現を目的に2018年4月,障がい者の法定雇用率が引き上げとなった.しかし精神障がいを呈している方々の約6割は就労を希望されているが,身体障がい・知的障がいに比べ雇用率が低い状況である.改正により精神障がい者の雇用機会が広がることが期待されるが,精神障がい者の雇用が義務化されるわけではなく,環境の変化に適応できずそのストレスによって心身に何らかの症状がおき,生活に支障がでる可能性が高い.本研究は作業療法士として共生社会の実現にむけ検討した.

方法

障がい者雇用率,障がい者業務内容について調べた.労働の目的を考え,ジョブコーチをすすめるうえで作業療法士として関わる内容を検討した.また共生社会実現に向け,市民に「駅周辺に必要としているもの」アンケートを実施した.

結果

全国の障がい者雇用率1.97%(平成29年)のうち身体障がい者の仕事内容は名刺作成や顧客向けの冊子の印刷など事務作業,知的障がい者は製造業など現場での業務,精神障がい者はオフィス清掃などの業務に多く就いていることがわかった.労働の意義と地域活性化を図るために市民を対象としたアンケート実施した結果飲食店とショッピングを求める声が多かった(表1).障がい者が希望する業務に関し調べる予定であったが,具体的な業務内容を知ることは困難であった.

表1 市民を対象としたアンケートの結果

考察

作業療法士として地域の状況,障がい者一人ひとりの希望・意欲に応じた対応が必要であり,状況やスキルの取得にむけてのサポートが,障がい者の自立,地域での共生社会に繋がっていくと考えられる.地域活性化を図るためには,地域が必要としているもの,障がい者の就労をすり合わせることが必要である.また,障がい理解が得られれば職域の拡大,法定雇用率は増加すると考えられる.

まとめ

働くことは“お金を稼ぐ手段”だけではない.仕事を通じて社会参加をし,自己実現につなげていくための方法のひとつである.企業による雇用や就労支援事業が就労支援と連想されてしまうが,日常生活・社会生活が職業生活を支えるベースになることも改めて気づくことができた.作業療法士として個性や障がい特性,生活を包括的に捉えることで,就労支援・障がい者雇用に繋がるのではないか.今回の取り組みが共生社会の実現に繋がるよう,後輩達に継続的な研究を期待する.

 

参考文献・引用

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