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2018年度 課題研究発表会
ポスター演題

学習に集中する事が苦手な児童に関った症例

キーワード:発達障がい遊び集中
作業療法士学科
入江 桃子/安治 桜/露木 菜々子

はじめに

発達障がい児の中には学習に集中できない児童がおり,集中できない原因を限定することは難しいと考えられる.児童が集中しやすいこととして遊びが考えられるので,遊びと学習を関連づけ,学習への集中力を高められるのか検証した.

対象と方法

(対象)発達障がい児1名(女児)
(材料)
①学習:50マス計算
②遊び:手足でポンポン
1.指示された色,形の場所に,右足,左足,右手,左手,右足...を順番に置いていく.
2.手や足を置けなくなったり,バランスをくずし転んだら終了.
(手続き)
学習→遊び→学習の順に活動を行う.1回目と2回目の学習でどのような変化が見られるのかを比較する.静止や,ゆっくり体を動かすのが苦手な多動児に静止動作が経験できる.さらに,口頭指示に対応する力がつく.
(分析方法)
遊びの前と後での50マス計算の時間測定を行った.

結果

図1のように遊んだ後の50マス計算にかかる時間は縮まり,間違い数は減少した.初回よりも主体的発言がみられ意欲向上が認められた.

考察

対象児は,他の児童の声で注意がそれることがあったが,すぐに集中しなおすことができるようになった.

集中力は興味関心という感情から生まれる.本人の好む活動を利用するのが重要で,オンの後はオフにしてクールダウンが必要である.メリハリをつけた活動を継続し,注意分散が習慣化し,学校や家庭でも,作業の切り替えができると考える.また,固有感覚刺激が強い活動を取り組む課題の前に実施し,欲求が充足すると落ち着いて課題に取り組めると考える.学習前に自分から「50マス計算しよう」という発言があり,作業療法士・学生・保護者に賞賛され認められ,満足感と活動の動機付けになったと考える.

作業療法の良さは,本人の興味関心を取り入れ,苦手を克服できることだと感じた.

参考文献・引用

  1. 佐藤和美たのしくあそんで感覚統合手作りの遊び100かもがわ出版

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