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2019年度 課題研究発表会
ポスター演題

障がい者スポーツを通して地域活性化を図る

キーワード:地域コミュニティ地域活性化障がい者スポーツ
作業療法士学科
礒邉 一花/高田 穂乃香

はじめに

2015年スポーツ庁が設立され,2020年オリンピック・パラリンピック開催にあたり共生社会の実現に加え,心のバリアフリー,ユニバーサルデザインの街づくりの実現1)が望まれている.

日本各地において障がいの有無に関わらずスポーツを行うことができる社会の実現には,地域における障がい者スポーツ普及が課題となってリ,障がい者スポーツを通して地域コミュニティの再構築がなされた地域もある.

鳥取県でも地域の誰もが障がいのある方とともに生きる取り組みとして「あいサポート運動」がある.しかし,地元地域に目を向けると鳥取駅周辺のバリアフリー化が進んでいない現状が認められた.障がい者スポーツを通して地域活性化の可能性について調査を実施した.

対象・方法

〇鳥取市民174名(男性95名・女性79名)を対象とした.
〇ブラインドサッカー体験前後に障がい者スポーツに関する以下項目のアンケートを実施.
①オリンピックへの興味・関心
②パラリンピックへの興味・関心
③ブラインドサッカーの知名度
④障がいのある方との活動経験
⑤ブラインドサッカー体験前と体験後の興味・関心の変化他.

結果

以上の結果よりt検定において,ブラインドサッカー体験前(43%)と体験後(94%)で障がい者スポーツへの興味・関心についての項目に有意差が認められた.

図 1 障がい者スポーツへの興味・関心率

考察

鳥取県では障がいの理解に対する取り組みとして,「あいサポート運動」や障がい者スポーツ協会主催の障がい者スポーツ体験等が実施されており,2004年障害者基本法一部改正により学校教育での取り組みもなされている.それにも関わらず,アンケートの結果では障がい者スポーツに対する興味・関心は高くはなかった.

その要因として,障がい者スポーツは「障がい者が行うスポーツ」との認識が高いことや多くの人が障がいに触れる機会が少ないことが考えられる.共生社会実現のためには障がいに対する理解の促進が重要であり,障がい者スポーツを介すこともきっかけの一つになったと考える.

心のバリアを取り除き,障がい理解が促進されることで,環境面の変化が生まれ,地域活性化が期待できると考える.

まとめ

スポーツは身体を動かすという人間の本源的な欲求に応えると共に,心身の健全な発達を促し人々との交流を促進するなど生涯を通じて幸福で豊かな生活を営む基盤である.スポーツの持つ価値や意義は年齢や性別,障がい等を問わずすべての人々に享受されるものである.障がいを持つ方がスポーツを通じて自らの可能性にチャレンジしたり仲間との交流を深めることは,生活の質を高め,人生をより豊かにしてくれるものである.

参考文献・引用

  1. 1)首相官邸:2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて2004年4月. https://www.kantei.go.jp/headline/tokyo2020

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