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2020年度 課題研究発表会
ポスター演題

高齢者が理想とするスーパーマーケット ~高齢者の思いに寄り添った買い物環境~

キーワード:スーパーマーケット棚の高さ生活不活発病高齢者
作業療法士学科
大久佐 有紗/竹内 永遠/竹内 楓香/三浦 朋子/余根田 晴香/河野 裕美子

はじめに

手段的日常生活活動である買い物は高齢者の方が自立した生活を送るために,重要な役割を持っている.3期生が行った先行研究では,高齢者の方が問題視している箇所として棚の高さに不便を感じている方が多かった.そこで,今回は先行研究で得た結果を基にアンケートを作成しさらに棚について深めることにした.

その結果,アンケート内容の変更箇所が見つかり,生活不活発につながる要因が抽出され,高齢者が理想とするスーパーマーケットへ繋がると考える.

対象と方法

1 対象(年齢・性別・人数など)
トスク〈60歳以下:男0名女4名,60歳代:男1名女1名,70歳代:男2名女3名,80歳代:男2名女2名〉
Sマート〈60歳以下:男3名女2名,60歳代:男1名女3名,70歳代:男1名女2名,80歳代:男1名女2名〉計30名2材料(実験機器・調査用紙など)
・アンケート用紙・ペン・バインダー3手続き(実験や調査の進め方)1アンケート用紙を作成
2 トスク15名,Sマート15名のアンケート実施

結果

〈棚の高さ(高いと回答)〉
トスク0人 Sマート2人

考察

私達はアンケート対象を障害の有無にかかわらず60歳以上の方を対象にした.しかし実際にアンケートを実施してみるとスーパーマーケットを利用されている方は歩行が自立されており一人で買い物が出来る方々であった.

予想していた人数より棚の高さに不便を感じている方が少なかったのは,アンケートを行ったのが土曜日のお昼の時間帯であった.そのため,混雑をしていることが想定されるスーパーマーケットでは,ピーク時の従業員の方は忙しく頼むことを遠慮してしまう・店舗内での移動が困難・レジでの待ち時間増加など普段不満を抱いている方が避けているもしくは利用しておられずこのような結果になったのではないかと考える.

この現状からも利用を避け活動量が低下し,生活の不活発につながるのではないかと考える.考察が確かなものか確かめるべく今後はアンケート内容に任意での身体的ハンデの有無,時間帯変更,数の変更,アンケート場所の変更(デイケアやデイサービス)を取り入れる必要があると判明した.

棚の配置については良く利用する売り場を知ることで,商品を探す手間を省略,移動距離の短縮などに繋げ,欲しいものが見つからず,疲れてしまうことを避けスーパーマーケットへの利用頻度が増え生活不活発病が防げ,スーパーマーケットの利便性が向上するのではないかと考える.アンケート結果から得た,アンケート内容(棚の高さ・商品棚の配置)の改善,利用する方と利用時間の関係性も踏まえて研究を行っていき,今後の問題点が抽出出来たことで,理想のスーパーマーケットに仕上がるのではないかと考える.

まとめ

理想の買い物環境を整えるには,福祉用具やバリアフリー整備の導入だけでなく,高齢者の特性を十分に理解し,買い物をサポートしていくことが必要な条件であると考えられる.

今回は棚の高さに着目し問題点と改善点が見つかり,それにより活動量が低下し生活不活発病への影響が考えられた.

参考文献・引用

  1. みんなにやさしいお店づくり https://www.city.fukuoka.lg.jp

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