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2021年度 課題研究発表会
ポスター演題

平成と令和の変遷からみる余暇活動の未来

キーワード:スマートフォン普及率他者交流余暇活動
作業療法士学科
杣 胡桃/竹内 良太/竹本 真緒/谷岡 真衣/濵本 華来/村松 ひかる

はじめに

新型コロナウイルスの流行により,流行前と比較して外出の機会や活動範囲が制限された現状がある.それにより,他者との繋がりや,生活の楽しみが希薄となり,QOLの低下が予測され,余暇活動は変化していると考える.

このような情勢下の中での余暇活動の変化を調査し,今後の作業療法へ活用できるのではと考えたため,この研究を実施することにした.

仮説

令和2年では新型コロナウイルスの蔓延により,外出や他者との接触などが制限され,他者との関わりが希薄となったことで孤独感や閉塞感を感じやすくなっている.そのため,屋外で行う趣味を持った人が趣味を失い,新たに屋内で行うことができる趣味を持った人が増加したと考える.よって,コロナウイルスの流行前と比較して屋内でスマートフォンを利用した余暇活動を行う人が増加していると考える.

研究対象

対象:全国の15~79歳男女2007年:最大7200万人,2020年:最大3900万人

研究方法

①2007年の余暇活動に関するデータ(レジャー白書1))を調査する.
②2020年の余暇活動に関するデータ(レジャー白書2))を調査する.
③スマートフォン保有率のデータ(総務省情報通信機器の保有率3))を調査する.
④①と②のデータを表,グラフにまとめる.
⑤考察にまとめる.

結果

2007年は,屋外で余暇時間を過ごす人が74%と多かった.一方で,2020年は1位から3位を屋内での余暇活動が占めており,全体の42%であった.また,スマートフォン保有率は年々,増加傾向にあり,2007年はスマートフォンを用いた趣味が0%であるのに対し,2020年は31%に増加している結果となった.2020年では,2007年の趣味には挙げられていなかったスマートフォンを使用した音楽鑑賞,動画視聴,SNSの趣味が新たに挙げられていた.

考察

2007年はスマートフォン普及率が低かったため,スマートフォンを使用した余暇活動が上位に上がることはなかったと考える.対して,2020年では,スマートフォン普及率と保有率が増加したため,スマートフォンを使用して行うことのできる余暇活動がランクインしたと考える.加えて,新型コロナウイルスの蔓延により外出や他者との接触が制限され,屋内で行うことのできる余暇活動を行う人が多くなったと考える.

今後の展望として,コロナ禍で制限された中,屋内での余暇活動は増加していたが,孤独感や閉塞感は他者と接触しなくてもインターネットを介した関わりで充足できるのか調査する必要がある.令和の時代は,新型コロナウイルスの流行によって自粛傾向にあるため,余暇活動を屋内で行う割合が増加している.そのため,活動量の低下,活動範囲の制限による筋力,体力などの身体機能面の低下,さらに孤独感,閉塞感を感じやすく,精神機能面の低下を及ぼしていると考えられる.そこで,遠隔医療,地域リハビリを活用し,患者へ作業療法の提供をすることで身体機能面,精神機能面の維持,向上を図ることが今後の医療で望まれる.

参考文献・引用

  1. 1)レジャー白書2010https://www.crs.or.jp/backno/No646/6461.htm
  2. 2)レジャー白書2021https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/summary2021_leisure.pdf
  3. 3)総務省情報通信機器の保有率https;//www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepapeer/ja/r02/html/nd252110.htm

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