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2022年度 課題研究発表会
口述演題

医療事務職として私たちにできること ~客観的指標による接遇面の向上~

キーワード:医療事務職客観的指標接遇面機械化
医療福祉総合学科
浦濱 萌/高岡 莉桜/松岡 暖/山根 百加/米澤 あおば/岩尾 彩夏

はじめに

現在,様々な場面で機械化が進んでいる.例えば,自動車の自動運転や安全運転システムの導入,飲食店での接客と注文の機械化などがある.医療業界も同様に,診療受付・会計の機械化,AIによる画像診断等がある.オックスフォード大学のオズボーンらは「日本の労働人口の49%がAIやロボット等に代替可能になる」1)と述べている.医療事務職も代替可能な職種の中に含まれている.そこで,私たちは今後の医療事務職としての在り方についてアンケートを行い,検討した.

対象

アンケート調査は,鳥取市内の医療事務職 33 名に実施した . 動画の評価は,医療福祉総合学科の学生 11 名に実施した .

方法

1.受付の機械化についてのアンケート調査(1受付方法について2機械化しても良い業務3人にしかできないこと)を実施した.
2.調査結果から接遇に関する5段階評価用紙及び動画を作成し,5段階評価を行った.また,評価結果を受けて改善点を検討し,再度,動画を作成し、評価を行った.

結果

1.アンケートの結果,受付方法は対面のみの受付が良いという回答が全体の約7割を占めた.機械のみでの対応が良いとする回答は0%であった.機械化しても良い業務については会計と診察予約で約60%を占めた.さらに,人にしかできないことについては,接遇や気配りや気持ちを汲み取る等の記載が多数みられた.
2.接遇面の向上がみられた.

考察

受付方法について機械のみでの対応が0%であった理由として,機械のみでは不測の事態の際に不安が残るためであると考えられる.機械化して欲しい業務については,会計や診療受付などのルーティーンワークが殆どであり,機械化による業務の円滑を図るためであると思われる.人にしかできないことの記載については,現状,機械には接遇や気配り,人の気持ちを汲み取る等が困難であると考える.よって,私たちが医療事務職として今後も在り続けるためには,接遇面を強化する必要があることが分かった.評価用紙を作成した結果,受付対応でのポイントが視覚化でき,接遇面の向上につながった.今回の研究では,客観的指標の内容が初歩的なレベルにとどまったため,再度検討を行い,より実践を見据えた項目の作成を目指したい.

まとめ

この研究を通して,接遇の重要性を再認識した.医療事務職は「病院の顔」であり対応によって病院の印象を左右することもあるため,接遇は人が中心となって行う.機械は業務の円滑を求める診療受付や会計の業務を行う.人と機械どちらにも良さがあり,お互いの良さを活かし,協調していくことが今後の私たちに求められる.

参考文献・引用

  1. Frey, C. B. et al. : The future of employment: How susceptible are jobs to computerisation?. Technological Forecasting and Social Change, 114; 254-280, 2017.
  2. 長江由美子 : 未来をひらくビジネスマナー . 第4版, 大学教育出版, 岡山, 26-50, 2018.

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