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2023年度 課題研究発表会
ポスター演題

病院・学校周辺におけるバリアフリーの調査と課題

医療福祉総合学科
岡本 友菜/白岩 咲穂/豊田 遥香/松前 珠実

はじめに

現在,日本では高齢化社会に伴い車いす利用者 も増加している.国土交通省によると公共交通機 関におけるバリアフリー化の進歩状況(平成28年 度末)で段差の解消は87.2%,視覚障がい者誘導用ブロックの設置は93.8%となっており,様々なところでバリアフリー化が進んでいる.そこで,さらに高齢者や障がい者がより良い生活をしてい くため,我々が通っている学校周辺や病院などは バリアフリー化がどのように進んでいるのか深く 追求していきたい.

目的

バリアには「物理的,制度的,文化・情報的, 意識的」の大きく分けて4つの意味があるが,その中でも高齢者や障がい者に直接身体的被害・危 険を及ぼし,事故につながることもある物理的バ リアに私たちは着目した.将来私たち医療事務員 が勤務する病院と利用者が多い鳥取駅ではどれくらいバリアフリー化が進んでいるのか,障壁( バ リア) はないかを実際に調査し,高齢者や障がい者が生活していく上で障壁をなくすためにはどのようにしたらよいのか調査していく.

方法

学校周辺と病院のバリアフリーの現状を車いす利用者の目線で把握するため,学校から駅までの道のりと病院を, 実際に車いすを操作し,車いす利用者がより快適に過ごすにはどういった工夫や 改善点が必要なのかを考察していく.

結果

駅周辺は車両進入用スロープがあり,操作しづ らく,点字ブロックや溝の段差に引っかかること があった.また,鳥取駅を南口から北口に通行する際,南口は両開きのドアが両方開いていたが, 北口は片方しか開いておらず通行しづらいと感じた.病院ではトイレが手動式のため,車いす利用者だと開け閉めが難しく出入りが大変だった.また,車いす利用者目線だと病院の受付台が高いため,保険証やお金のやり取りがやりにくいと感じ た.

考察

学校周辺の段差等がある歩道や車両進入用スロープは,操作を誤ると道路に飛び出してしまうため,歩道は修正が必要だが,車両用スロープに 関しては運転者にとって必要不可欠なため修正は難しい.溝は車輪がはまらない細目タイプを使用 することが可能だが,点字ブロックは視覚障がい者にとっては必要なため,点字ブロックを撤去するのではなく,切り欠き配置にするなどの工夫が 必要だ.また,駅の開放ドアなどは車いす利用者 の目線で考え,常に開放ドアを両方開けておけるように意識することが大切である.病院のトイレでは,車いす利用者が使用しやすいように手動式ではなくボタン式へ,手動式でもスライド式のドアに変更するのが望ましい.また、病院の受付台などは車いす利用者を考慮し,車いす利用者専用の低い受付台や診察申込書台を設置するとよい.

まとめ

今回は車いす利用者から見た視点でバリアフリー化がどのように進んでいるのか調査したが,車いす利用者にとっては通行が困難になる車両用 スロープや点字ブックは一方で運転者や視覚障がい者などにとっては必要なものである.そのため,障がい者や高齢者,健常者がお互い過ごしやすい 街にしていくためには,物理的,制度的,文化・ 情報的,意識的の4つのバリアフリーを意識して いくことが大切である.

参考文献・引用

  1. 平井康之:ユニバーサルミュージアムの基本的要 件とその評価と活用方法に関する研究:九州大学.2015.
  2. 国土交通省. バリアフリー法に基づくバリアフリー化の進歩状況について

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