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被災された皆様へ 〜心と身体を守る生活のポイント〜

2026年7月28日に熊本県で発生した地震にて、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

余震への不安や、慣れない環境での生活が続き、心身ともに疲労が蓄積している方も多いことと存じます。

この記事では医療専門職である作業療法士の視点から、生活のなかで心と身体を守るポイントをお伝えさせていただきます。

作業療法士は、食事や着替えといった日常動作から、仕事、趣味、休息に至るまで、人が生きていく上でのすべての活動を支援する医療専門職です。

この記事では被災後の生活の中で、皆様が少しでも安全に、そして健康を保ちながら過ごすためのポイントを、「身体面」「精神・心理面」「社会面」の3つの視点からお伝えします。

【お読みいただく皆様へ:大切なお願い】

本記事でお伝えした生活のポイントは、皆様の心身の健康を守るための一般的な目安となります。

すべてを無理に取り入れようとする必要はございません。

ご自身のペースに合わせて、できそうなことから少しずつ参考にしていただければ幸いです。

医師や避難所運営スタッフの指示を優先してください

すでに持病をお持ちの方や、体調に少しでも不安を感じている方は、決して自己判断をせず、必ず医師や巡回している医療スタッフの指示に従ってください。

また避難所での生活におきましては皆様の安全を第一に守るため、施設ごとのルールや運営スタッフからの案内を優先して行動していただきますようお願いいたします。

最新・詳細な情報は熊本県公式ホームページをご確認ください

健康管理に関するより詳しい情報や、生活再建に向けた公的な支援制度などの最新情報につきましては、熊本県の公式ホームページにて随時発信されております。

正確な情報を得るためにも、ぜひそちらを合わせてご参照ください。(下記の『令和8年熊本地震に関する情報 - 熊本県ホームページ』の文字をクリックすることで、該当ホームページに移動することが可能です。)

令和8年熊本地震に関する情報 - 熊本県ホームページ

(1)身体面:健康二次被害を防ぎ、身体を守る

避難所や車中泊など、制限された環境での生活は体に大きな負担をかけます。

まずはご自身の身体の安全を最優先にしてください。

① 生活不活発病の予防

動かない状態が続くと、筋力や体力が急激に低下する「生活不活発病」を引き起こしやすくなります。

無理のない範囲で、座ったまま足首を回す大きく伸びをする少し歩く時間を作るなど、意識的に体を動かしましょう。

② エコノミークラス症候群(深部静脈血栓症)の予防

特に車中泊をされている方は要注意です。

ふくらはぎの圧迫を避け、こまめに水分を補給してください

弾性ストッキングの着用も効果的です。

③ 熱中症とケガの予防(片付け作業時の注意)

7月・8月の厳しい暑さの中でのがれき撤去や片付けは、想像以上に体力を奪います。

こまめな休憩と水分塩分補給を徹底してください。

また破傷風やケガを防ぐため、軍手(できれば革手袋)や底の厚い靴・長靴を着用し、ケガのリスクを減らしましょう。

(2)精神・心理面:心のSOSに耳を傾ける

災害という非日常の中で、心が不安定になるのは決して弱いからではありません

① 感情の波を否定しない

不安になる、涙が出る、イライラする、あるいは感情が麻痺したように感じるのは、異常な事態に対する「心の反応」です。

ご自身の感情を無理に抑え込まず、「今は辛くて当然だ」と認めてあげてください。

② 日常の小さな習慣を取り戻す

作業療法では、日常の何気ない活動が心の安定に繋がると考えています。

顔を洗う、お茶を淹れる、好きな音楽を聴く、本を読むなど、震災前にもしていた「いつもの習慣」を1つでも生活に取り入れてみてください。

あなたが大切にしていたことを、やめ続ける必要はありません

『大切にしていたこと』に触れる時間は、あなたの心を繋ぎ止めるアンカー(錨)になってくれる可能性があります。

③ 「休むこと」も大切な活動

1日でも早く日常を取り戻すため、復旧に向けて「何かやらなければ」と焦る気持ちがあるのは当たり前です。

しかし「しっかり休養をとる」ことも、これからの生活を立て直すための非常に重要な活動の一つです。

休んでいることに罪悪感を持たず、『意識的に休む』時間を確保しましょう。

(3)社会面:孤立を防ぎ、繋がりを保つ

人との繋がりは、非常時を乗り越えるための大きな力になります。

① 一人で抱え込まない

辛い時、困った時は、周囲の人や支援スタッフに声をかけてください。

「自分より大変な人がいるから」「迷惑かもしれない」と遠慮する必要はありません。

必要な支援を求めることは、ご自身の権利です。

② 無理のない範囲で「役割」を持つ

避難所生活などでは、簡単な掃除や配膳の手伝い、ラジオ体操の呼びかけなど、小さな『役割』を持つことが、社会との繋がりを感じるきっかけになります。

このことは、気力を保つ助けになることがあります。

ただし、あくまでご自身の心身の余裕がある範囲にとどめましょう。

③ 声の掛け合いとコミュニティの維持

自治体などからの正しい情報を、周囲と共有し合いましょう。

また周囲に孤立している方や支援の声を出せない方がいれば、無理のない範囲で挨拶や声掛けを行い繋がりを維持していくことが大切です。

あなたにとって『大切なことができること』は、生きる力になります。

今の厳しい状況下でも、ご自身にとって『大切なこと大切な時間』を少しずつ取り戻していくことが、心身の健康を支える土台となります。

被災地の皆様が一日も早く、穏やかな日常を取り戻せるよう、心から祈念しております。

どうかご自身のペースを大切に、ご自愛ください。

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