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2025年度 課題研究発表会
口述演題

急性期病棟における離床の現状と課題 ―看護師の意識と実践に焦点を当てて―

キーワード:急性期病棟看護師の意識離床支援
鳥取医療生活協同組合 鳥取生協病院
壽村 彰悟

はじめに

 離床は廃用症候群の予防やADL の維持・向上に効果があるとされ,患者の早期回復を支える重要なケアの一つである.しかし,安全面への不安や業務多忙などにより離床が十分に進まない現状がある.看護師は離床支援の中心的役割を担っており,意識や実践の実態を把握することが今後の離床促進に向けた課題の明確化につながると考えた.

目的

 本研究では,救急病床および急性期病棟に勤務する看護師を対象とし,離床支援に関する意識と実践の現状を明らかにし,離床支援を促進するための課題を検討することを目的とした.

方法

 対象は,鳥取生協病院の一般病棟(救急病床・急性期病棟)に勤務する看護師37名とした.自作の質問紙を用い,基本情報に加えて,離床に関する意識,離床の現状,今後の離床促進に関する意見の4項目で構成した.集計は年齢層および病棟別に行った.

調査期間

 2025年10/20~10/27

倫理的配慮

 本研究は鳥取生協病院の規則に則り,対象者には,研究目的,匿名性,任意参加について文章で説明し,同意を得た上で実施した.

結果

 アンケート回収率は約84%.結果内容は,両病棟とも「離床は患者の回復に重要」と回答した看護師が90%以上であった.一方で,「離床のタイミングを判断するのが難しい」「医師の指示がないと勧めにくい」と回答したのが60%以上と高く,判断基準の不明確さが課題として示され.離床介助の頻度は急性期病棟で多い傾向にみられたが,人員不足や安全面への不安が離床の妨げになっていた.自由記述では「業務が多く離床を後回しにしてしまう」「一人で進めるのは不安」との意見がみられた.

考察

 看護師は離床の重要性を理解しているものの,実践に移すためには人員配置や環境整備,安全確保などの支援が必要であることが示された.離床支援を進めるには,安全確保や看護師の意識を高める教育的支援が有効であり,段階的な援助やチームでの連携が離床促進に寄与する.離床を安全に行うためには,明確な基準設定と多職種による情報共有が離床促進につながると考える.

結論

 離床支援においては,看護師が主体的に関われる体制の構築と,チーム全体での意識共有が不可欠である. 今後は,リハビリスタッフとの連携を強化し,明確なプロトコルに基づいた離床プログラムの作成・実施を進めていく必要がある. また,効果的な離床方法に関する教育や指導体制を充実させることで,離床支援を安全かつ効果的に実践できる環境の整備が課題として明らかになった.

参考文献・引用

  1. 厚生労働省「令和 6 年度診療報酬改定の概要」 資料(急性期医療版).URL: https;//www.mhlw.go.jp/content/12400000/001251539.pdf
  2. 武藤博子. 早期離床に対する看護師の認識と課題. 福島県立医科大学看護学部紀要, 22,25-35.2020
  3. 門田清孝・永井庸央. 術後患者の離床に対する 自己効力感を高める看護援助- 効力予後に影響 を与える 4 つの情報の観点から- . 川崎医療福 祉学会誌,30(2);493-501,2021 他

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