色付きマスクの印象と色に対する印象の関連性
はじめに
2019年から近年までCOVID-19パンデミック1)(新型コロナウイルス)の影響により医療職にとってさらにマスクの着用が必要となった.病院を受診する際に, 一番初めに患者と接するのは医療事務であることが多い.そこで, マスクの色について色彩心理学2)を踏まえ, 患者の感情や信頼に及ぼすマスクの色の影響を理解し, 医療の質と患者満足度向上に寄与することを目的として色付きマスクに対する印象と色のもたらす効果について調査することとした.3)
対象および方法
研究者の各実習先で病院・施設を利用する方(目の疾患等がない方に限る)を対象とし, 研究者自ら対象者を選ぶ.対象者へのアンケート概要説明などアンケート協力の声掛けを病院・施設の職員と行い,各自対象者と一対一で再度, 説明を行う.色付きマスクを着用した女性の写真と色の画像(白, 水色, ピンク, 黒, ベージュ)を一枚ずつ提示し, 怖い/ 優しい/ 清潔感がある/ 清潔感がない/ その他の意見の五肢択一で答えてもらい, 回答をそれぞれ年代別に分けて集計を行った.
結果
研究に協力が得られたのは55名であった.色付きマスクの印象で最も多かった回答は, 白マスク「清潔感がある」73% , 水色マスク「清潔感がある」25% , ピンクマスク「優しい」75% , 黒マスク「怖い」56% , ベージュマスク「優しい」60%であった.色の印象で最も多かった回答は, 白色「清潔感がある」85% , 水色「清潔感がある」40% , ピンク色「優しい」51% , 黒色「怖い」51% , ベージュ色「優しい」60%であった.このことから, 黒マスクと黒色はマイナスの印象が多く, その他の色付きマスクと色はプラスの印象の回答が多かった.
考察
研究の結果から, 色付きマスクと色の印象は同じであり, 身に着ける色により人に与える印象が変わることが分かった.色彩心理学2)によると, それぞれの色の印象について記されており, 今回の研究の結果でも同様の印象を示したため色が持つ印象がマスクをつけた際にも現れたと推測される. 今回の結果により, 清潔感がある/ 優しいという印象が多かった白マスク, ピンクマスクそしてベージュマスクが医療事務の着用するマスクとして適切だと考えられる.
参考文献・引用
- 新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック|United Nations Development Programmed( undp.org)https://www.undp.org/jp/japan/xinxingkoronauirusucovid-19-hantemitsuku
- 大澤健人2023年色彩心理学とは?色の持つ意味や与える影響, 関連資格について解説| WEB 集客ラボ byGMO(GMOTECH)https://gmotech.jp/webmarketing/blog/color-psychology/
- 厚生労働省2022(令和4)年国民生活基礎調査の概況Ⅲ世帯員の健康状況https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html