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トミー・ジョン手術から「前より強くなって」復帰する。理学療法士が支える1年間の軌跡

大谷翔平選手をはじめ、多くのプロ野球選手が経験している「トミー・ジョン手術(側副靭帯再建術)」。

かつては「投手生命の終わり」とも言われたこの手術ですが、今では多くの選手が以前、あるいは以前以上のパフォーマンスを持ってマウンドに戻ってきています。

なぜ、そんな奇跡のような復活が可能なのか?

その鍵を握るのは、手術後の約1年間にわたる理学療法士(PT)との二人三脚のリハビリにあります。


🧐 そもそも「トミー・ジョン手術」ってなに?

野球の投球動作によって肘の内側にある靭帯(内側側副靭帯)が伸びたり切れたりした際、自分の体の一部(手首の腱など)を移植して新しい靭帯を作る手術です。

手術自体は成功しても、新しい靭帯が「自分の体の一部」として定着し、150km以上の剛速球に耐えられるようになるには、長い時間がかかります。


🕒 復帰までのロードマップ:理学療法士は何をしている?

トミー・ジョン手術後のリハビリは、1日も休めない、かつ、1日も急げない非常に繊細なものです。

① 手術直後〜2ヶ月:動かない肘を「呼び起こす」

手術直後はギプスで固定しますが、そのままでは肘が固まってしまいます。

理学療法士は、慎重に肘の曲げ伸ばし(可動域訓練)を行い、筋肉の癒着を防ぎます。

② 3ヶ月〜5ヶ月:全身を「つくり直す」

肘を休めている間、理学療法士は下半身と体幹を徹底的に鍛え直します。

「肘を壊した原因は、実は股関節の硬さにあったのではないか?」 そう分析し、二度と肘を痛めないための理想的な体の使い方を、マンツーマンで叩き込みます。

③ 6ヶ月〜:ネットスロー・キャッチボール開始

ついにボールを握る時期。

理学療法士はハイスピードカメラなどで投球フォームを分析し、肘への負担が少ない「科学的に正しいフォーム」へと修正していきます。

④ 1年〜1年半:マウンド復帰

マウンドでの投球練習を経て、ついに試合復帰へ。

理学療法士は「筋力が術前より向上しているか」「動作に不安がないか」を数値でチェックし、GOサインを出します。


📈 「球速が上がる」という噂の真相

「トミー・ジョン手術をすると球速が上がる」という噂を聞いたことはありませんか? 実は、手術自体に球速を上げる効果はありません。

本当の理由は、「リハビリ期間中に理学療法士と徹底的に下半身を鍛え、無駄のないフォームを手に入れたから」です。

ケガというピンチを、理学療法士と共に「体づくりのチャンス」に変えた選手だけが、以前より強くなって戻ってこれるのです。


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