【鳥取・温泉コラム】湯治(とうじ)を科学する。温泉で「体が楽になる」のには理由がありました

鳥取県は、全国でも有数の温泉王国。
三朝、皆生、はわい、鹿野……。週末にふらりと温泉へ出かけ、日頃の疲れを癒している方も多いのではないでしょうか。
「あぁ、極楽極楽」 湯船に浸かった瞬間に漏れるその一言。
実は、単なる気分転換以上の「医学的なメカニズム」が体の中で起きているのをご存知ですか?
今回は、古くから伝わる「湯治(とうじ)」の知恵を、リハビリテーションの視点から少しだけ紐解いてみたいと思います。
1. なぜ温泉に入ると「動かしやすく」なるのか?
温泉に入ると、それまでガチガチだった体がふわりと軽くなる感覚がありますよね。これには3つの物理的な理由があります。
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浮力の魔法 首まで浸かると、体重はなんと普段の約10分の1になります。重力から解放されることで、膝や腰に痛みがある方でも、負担なく関節を動かせるようになります。
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温熱のデトックス お湯の熱が深部の筋肉まで届き、血管を広げます。血流がスムーズになることで、痛みのもととなる物質が洗い流され、筋肉の柔軟性が戻ってくるのです。
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水圧のポンプ作用 お湯の重み(水圧)が全身を優しく締め付けることで、足元に溜まった血液が心臓へと押し戻されます。これが「むくみ」の解消に一役買っています。
2. 「温泉×リハビリ」の意外な共通点
私たち理学療法士や作業療法士は、病院や施設で「運動療法」を行いますが、実は温泉で行われていることは、その原点にとても近いのです。
例えば、リハビリの現場でも「温熱療法」や「水中運動」は欠かせないメニューの一つ。温めてから動かす、水の力を借りて歩く……。
温泉という環境は、まさに天然のリハビリテーションセンターと言えるかもしれません。
3. 「自分に合ったお湯」を見つける楽しさ
鳥取の温泉は、成分もさまざまです。
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塩類泉(皆生など): 保温効果が高く、冷え性や関節の強張りに良いと言われます。
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放射能泉(三朝など): 「ホルミシス効果」による免疫力向上への期待で知られています。
自分の今の体調に合わせて「今日はこのお湯にしよう」と選べるのは、鳥取で暮らす私たちの特権ですね。
おわりに:温泉文化を、もっと健やかに
温泉は、単に汚れを落とす場所ではなく、私たちが本来持っている「治る力」を引き出してくれる場所です。
もし今後、温泉に浸かって「体が動かしやすくなったな」と感じることがあれば、その不思議なメカニズムに少しだけ思いを馳せてみてください。
私たち鳥取市医療看護専門学校も、こうした「人の体が良くなる仕組み」を日々探求しています。
地域の皆さんが、いつまでも温泉を楽しめる健康な体でいられること。それが私たちの願いでもあります。
今度の週末、あなたならどこのお湯で体を整えますか?





